火星の月の下で

日記がわり。

○18世紀ドイツの幽霊小説

書架から石川氏の『シラーの幽霊劇』(国書刊行会)が出てきて拾い読み。
昔初版で買った頃は、シラーの『メッシーナの花嫁』の背後にひそむ近親相姦、運命劇プロット、みたいな読み方の方に心を奪われていたが、今読み返すと、疾風怒濤時代、そして英国ゴシックに影響を与えたという、ドイツ幽霊小説、ゴシック劇のところの方が面白いな。
ナウベルト、チンク、グロッセ・・・これらの名前は依然として霧の中だけど、いくつかはProjekt Gutenbergで読めるようになったし、検索をかけてみると、研究者も少しずつ出てきているようだ。
今後、『ドイツのゴシック小説』に続くまとまった研究書、文献がでてきてくれることを期待しておこう。